【地域連携プロジェクト】『大泉こども食堂』参加学生が元文部科学大臣・中央官庁職員と活動や学びについて意見交換

10月7日(土)、地域連携プロジェクト「子ども支援に向けた『大泉子ども食堂』プロジェクト」の今年度第6回目の活動が行われた。開催当日、子どもの貧困問題や居場所問題などに対する取り組み、大妻女子大学の学生の活動の様子について知りたいということで、田中眞紀子氏(元文部科学大臣・外務大臣)と内閣府および文部科学省生涯学習政策局の職員計3名による視察が11:00~13:30頃行われました。

まず、学生が田中氏を調理に取り組む台所や食事をする座敷などへ案内すると、「一軒家をうまく活用して運営しているんですね」と関心を示されていた。居室で遊んでいる子どもに声をかけたり、学生に話しかけるなどした後、「私にも何か手伝えることはありますか?」と飛び入り参加で学生と調理をすることになった。同行された中央官庁の職員の方も、ハンバーグの種を作ったり、枝豆をもいでゆでたり等、まったく予定していなかったことだが、学生と一緒に和気あいあいと食事作りをしていただいた。

 

 

調理が一段落した後、学生に対するヒアリングが行われた。当日は6名の学生が参加していたが、このうち、現在子ども食堂をテーマに卒論に取り組む児童学科4年の千葉奈菜さん・臼井瞳さん、大泉子ども食堂で最も数多く活動に参加している児童学科3年の本多愛美さんが対応することになった。


「この活動に参加する意義は何?」といった質問に対して学生は、「まずは子どもや保護者と直接触れ合うことができること。また専門職を目指す学びの途中にある私たちは、子どもに寄り添い遊びを共有したり、保護者の話を受け止め聴くことが中心となるが、真摯な態度で接することにより、子どもや保護者はここで自分らしく過ごすことができたり、いろいろな本音が語られるようになる。時には学校で受けた心無い一言に対する口惜しさが語られることもある。そうした等身大の子どもや保護者に接したり、語りに耳を傾けることができることが学びになる」という。

また、「子ども食堂は貧困問題や居場所問題など、現代の子どもや保護者を取り巻く課題に小さな一歩から向き合う取り組みであり、社会のためになる活動に参加できることにも意義を感じている。加えて、食事の準備作業は、児童福祉施設実習で実際に食事を作ったり洗濯をしたりなど、子どもの生活を総合的に支えることの学びの準備にもなっているということ、身の回りのお世話や温かい食事の提供によって子ども自身が人から大切にされていることを実感できるようになるのではないかという思いが、この活動をする時の心の支えになっている」という。

大泉子ども食堂には、大妻の学生だけではなく他大学の学生も参加することがある。何度も参加している澁谷さん(日本大学新聞学科)は、「私は子どもがそれほど好きではなかったが、ここで活動するうちにだんだん子どもが好きになってきた」と赤ちゃんを抱っこしながら話す。学生はいろいろな経験をすることで、いろいろなことを考え、自分がそうだと思ってきた価値観などを問い直していくきっかけになるということの一例である。

田中氏からは、「人があたたかい心で、自然に子どもたちと向き合えるような場の大切さ、逆に言えばこうした雰囲気の場があるということが子どもや保護者や地域の大人のあたたかい心を引き出していく」という趣旨のことをおっしゃっていた。活動は自主性に基づいているため、行政の支援はとても難しく工夫が必要ということもおっしゃっていた。

田中氏と学生とのやりとりの中で、こうした活動は学生にとって当然アルバイトのように目先の対価が得られる活動ではない。しかし、思い切って参加してみることで、自分の考えが揺さぶられたり、自分に対して新しい発見をしたり、利害と離れた人間関係が得られるなど、目に見えづらいが貴重な学びがあるかもしれない、といった話も出ていた。

田中眞紀子氏の矢継ぎ早の質問に応えた千葉さんは「元大臣の質問を乗り切ることができたから、卒研発表会では緊張しないと思います。またとない貴重な機会でした」と話していた。

(文 プロジェクト代表者 家政学部児童学科准教授 加藤悦雄)